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裏エピソードその3 八雲紫の素顔?

エイアン城外、コウカン櫓陣
紫「ふうっ、ちょっと飲み過ぎたかしら?」
先程まで友人、幽々子と飲んでいた。
普段なら適当に会話しつつ明るく飲んで酔う前には終わるのだが。
今回は少々深酒になってしまっていた。
紫「らしくないわ。」
ここの所紫は焦っている。
霊夢との共闘、幽々子達をまとめる所までは計算通りだった。



チルノとの戦いから計算は狂いだした。
一気にシドウを攻め落として吸収する予定だった。
だが、チルノとチョウロが動いた。
誰が手引きしたかは予想がついた。
だが、それが実を結ぶとは思っていなかった。
結果、一気にカンチュウまで攻めざる得なくなった。
セイト、メンチク城塞では予想以上の速さで占拠。
一気にシドウまで落とす予定だった。
そう、自分の気まぐれも要因の一つ。
たまたま敗走するチルノ達を見て、気分良くしていた。
いや、調子に乗っていた。
この時既に幻想郷に戻る手段は解っていた。
ただ、最初は時間軸と座標がぶれてしまい
結果此方の世界に毛玉軍団が入り込むと言う失態を犯した。
その憂さ晴らしも兼ねていた。
幻想郷への軸と座標を修正し、確実に戻れるようにした後。
無縁塚であるものを発見した。
スイカバーのような大きな剣であった。
それを、隙間から取り出し、地上に居るチルノ達に投げ入れてみた。
どんな反応をするかちょっと見てみたくなったのだ。
ここで次の誤算が起こった。
不用意に投げた影響でルーミアの高等部に直撃してしまったのだ。
紫「ぶはっ!」
思わず紫は噴出してしまった。
その光景が余りにも面白かったのだ。
だが、その面白い光景はすぐに終わった。
チルノの表情は一変し氷精とは思えない闘気を秘めていた。
そして、ルーミアもまた覚醒してしまった。
後者の覚醒は大きな誤算であった。
紫「ま、まあ何とかなるでしょう。」
多少の焦りはあったが兵力差からしてさしたる問題ではないと
頭を切り替える事にした。
その後、シドウに攻め込むが覚醒したチルノ(アドベントチルノ)が
予想以上に奮戦、一騎討ちではあの息吹スイカをも打ち倒してしまった。
あのスイカバーで。
チルノとレティが予想以上の抵抗を見せ、気が付けば後方の予備兵力を
全て注ぎ込んでいた。
被害は大きかったが、カンチュウを攻めるには兵力の余裕はまだあった。
だが、準備中に想定外の事態が又起こった。
今度はチルノと四季映姫が手を組んだのだ。
これが蓬莱山輝夜だったらまだ良かった。
だが、今はまだ相手にしたくない四季映姫と組まれてしまった。
攻めるかどうか考える暇も無く次の問題が発生した。
諸葛亮軍の侵攻である。
フスイカンのすぐ近くに陣建設の報告が入り
紫と藍、橙が防衛に戻った。
紫「次から次へと小賢しい!」
誰も居ない所で紫は怒りを露にした。
自分の思い通りにならない事に苛立ちを隠せなくなっていたのだ。
そして幽々子が心配する事態もまた少し現実になりつつあったのかもしれない。
藍「紫様。」
紫「どうしたの?藍。」
紫は一瞬しまったという表情をしたが
すぐに平静を装った。
藍に隠し通せるとは思っていなかった。
藍「今回の防衛、私と橙だけで十分です。
  紫様はお休み下さい。」
読まれていた。
普段、紫は1日の約半分、12時間前後は眠りについている。
そして冬の時期は3ヶ月前後は冬眠に入るのである。
だが、此方に来てからは冬は眠らず。
普段も8時間から10時間と睡眠時間が確実に減っていた。
紫「私の心配なんて無用よ?藍。」
藍「差出がましいのは承知しております。
  ですが、今はお休みになられるべきかと。」
紫「……………、くどいわ。」
藍「申し訳ございません。」
藍は深く礼をするとその場を去った。
藍の進言は正しい、だが正しいからと言って
今はそれを受け入れる事が出来なかったのだ。
紫「今はまだ駄目なのよ。」
藍の去った廊下を遠くに眺めながら呟き続けた。
紫「攻めるだけなら霊夢達だけでも平気。」
紫「だけど、いざ守りになったとき。
  多方面から攻め込まれる危険がある今は駄目。
  彼女達だけではきっと耐えられないわ。」
紫「私は霊夢にとっての盾。
  まだ東には諸葛亮と孫策が居る。
  彼らを倒さない限り私はまだ眠れないわ。」


紫「………!!」
夢?
自室に居た。
何時の間にか布団に潜り込んでいた様だ。
ふうっと一息付くと紫は布団を出た。
天幕の外、風が心地よかった、外はまだ暗い。
霊夢「あら、紫?」
紫「霊夢。」
ばったりと外で霊夢と会った、どうやら霊夢もまた夜風で涼んでいたのだろう。
こうして夜二人っきりで会うのは永夜異変以来だろうか?
霊夢「って紫大丈夫?」
紫「え?」
なんか心配されるような事でもしたっけ?
霊夢「泣いてるじゃない。」
紫「うそっ!」
慌てて手を当てると確かに涙がうっすらと付いていた。
霊夢「くすくすっ」
嘘っ!私が泣いてた?
紫「霊夢、この事は。」
霊夢「解ってるわよ、誰にも言わないわ。」
紫「ありがとう。」
ちょっと恥ずかしい。
霊夢「紫でも泣く事あるのね。」
紫「何よそれ。」
ちょっと拗ねてみた。
霊夢「別に、何時もは胡散臭い紫でも
   たまには可愛い所もあるんだなって
   新鮮に思っただけよ。」
紫「ぶはっ!」
顔が赤くなっていくのが自分でも解る。
このタイミングで言われるとは不意打ちを食らったのも同じであった。
霊夢「あははは、そこまで焦る紫も又珍しいわ。」
紫「っぐぅ、れ~い~むぅ~。」
霊夢「わっ、ちょっちょっと!」
霊夢に不意に抱きついてみた。
紫「霊夢、ごめん。
  少しだけ、このままでお願い。」
小声で小さく囁く紫。
霊夢「もうっ………ちょっとだけよ?」
紫「ありがとっ。」
心地良い、不思議と心が落ち着く。
夜風が彼女達を優しく撫でていた。

後書き
うん、この後の展開も考えたけど
キスシーンにしたりネチョシーンにしたり
レミリア混ぜてカオスにしたり色々考えられたけど
表現上自重する事にした。
とりあえず、人前にはさらす事のないらしくない紫を目指してみた。
まあ、こういう考え方もあるって事で一つよろ。
by KisaragiZetsuei | 2008-03-11 12:37 | 夢幻想列伝 外伝
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